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◯prologue 2
「状況から考えると、アシュリーしかありえない」
村人たちはそう結論づけたが、レイモンドは浮かない顔をしていた。
「アシュリーは人狼かもしれないけど、腑に落ちないな。
だって、俺たちを襲う機会ならたくさんあったはずだろ。
どうして今になってこんなことをしたんだ?
それに、喰うのが目的なら、なんで俺と結婚なんて……」
モーガンもそれに同調する。
考えることは一緒だった。
アシュリーが人狼だなんて考えられないし、その上処刑なんて……。
そこで、ロードリックが一つ提案をした。
「アシュリーが目覚めて、話を聞けるようになるまで、私たちから隔離しておくことで手を打ちませんか」
快晴、風なし、少し暑い。
ロードリックの天気予報はたまに外れる。
ロードリック、レイモンド、モーガンがアシュリーを小屋に閉じ込め、
ハリエットの遺体を共同墓地に埋め終わった時には、
波乱を表すような風が強く吹き始めていた。
風は、更なる悲劇を運んでくる。
しかし、誰もそれに気づく者はなかった。
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