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私はこの村の村長ですが、ロードリックではありません。

本物のロードリックは昔、出稼ぎのため出て行ったままです。

この村を出て働いていたが、事故で手を怪我したので帰ってきた」

私は、そんな嘘で彼のフリをして外の人を受け入れないこの村に紛れ込んだ人狼なのです。

ただし、人は喰わないと誓っている善良なる人狼なのです。

私のような人狼は少なからずいます。

何年も人狼被害がないというこの村を拠点に、人間と人狼が共存できる社会をつくりたい。

そう思って、人狼として元いた村を追われた私はこの村に潜入しました。

遠い昔、私の家族が両種族の隔たりの深い闇に落ちていきました。

あの時の苦しみをもう誰にも味わってほしくないのです。

この事件はハリエットの傷跡を見ても、人狼の仕業で間違いありませんが、

私は断じてこのような間違いを起こしたりしません。

私でないとすれば、やはり怪しいのはアシュリー……。

いいえ、しかし、アシュリーがこんなことをするとは思えないのです。

あの子を村へ迎え入れた時、

私は平和を途切れさせようなんて、間違っても考えませんでした。

誤って狼に変化しても、誰一人傷つけぬように、自ら切り落としたこの十の指先に誓って、

私がこの事件を解決しなければ。

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