弟の行方を知りたければ、
このカードの裏に書かれた場所まで来てください。
容疑者たちが集まります。
puppet player
ある日突然送られてきた手紙にはそれだけしか書かれていなかったけれど、今まで貰ったどんな手紙よりも嬉しいと思えた。
長い慰めの手紙には飽き飽きしていた。そんなもので弟は帰ってこないし、私たちの傷は癒えない。
私の弟が失踪したのは三年前のこと。
隣町の高校へサッカーの試合に出かけ、そのまま戻ってこなかった。
家族も警察も三日三晩探したけれど、成果のないまま捜索は打ち切りになり、安否さえもわからないままだ。
私は警察の無能さを呪った。
自分の無力を呪った。
弟の身に起こった理不尽を呪った。
そして、犯人を呪った。
私がその正体を暴いて、この手で報いを受けさせてやる。
私は、そのために今日、この場所へやってきた。
【集合した時の記憶】
こいつらが……!
椅子に座る容疑者たちを見ると、今すぐその喉を掻き切ってやろうかと思った。
けれど、私の右手はポケットの中の冷たい金属を撫でるだけで鎮まる。
そう、今は、まだ、その時じゃない。
puppet playerは最後にその機会を与えてくれるはず。
ただ、もう私には見当がついている。
あの高校生は、確か動物虐待の趣味があるって噂の男だったと思う。
そいつが、きっと……。
【三年前の記憶】
悔しいけれど、私はこの事件のことを全くと言っていいほど知らない。
それくらい何も手がかりは見つからなかった。
本当に、忽然と消えてしまった。服の一欠片も見つからない。
姉しか知り得ない情報があるとすれば、サッカーの試合に勝てるように、
靴下焼けがはっきり残る右足にミサンガを結んであげたことくらいかな。
弟は「女の子がするやつだからやだ」って言ってたから、あとでこっそり外したのかもしれないけれど。
弟の試合は大体16:00前には終わる予定だったから、家に帰ってくるのは単純計算で17:00になるのかな。
私たち家族は18:30まで待ったけど、帰ってこないから、警察に通報した。
電話をする父の横顔と、その後ろでもう泣き始めていた母のことを今でも覚えてる。
私がどんな顔をしていたかは、よく覚えてない。
突如我が家に垂れ込めた暗雲を前に、きっと戸惑ってた。
【目標】
自分が姉であるということを隠す。そのためには自由に嘘をついて良い。(6)
犯人に投票する。(5)
自分が最多票にならない。(3)