三年前のことを覚えていますか。
あの哀れな子どもが行方不明になったあの日のことです。
ええ、あなたならきっと覚えているでしょう。
来てくれると信じています。
お会いできるのを楽しみにしています。
puppet player
その手紙を見た時、俺の目の前は怒りで真っ赤に染まった。
puppet player?ふざけた名前しやがって。
散々人の人生を狂わせておいて、今更何の用があるんだ?
謝罪するなら受け入れてあげないこともないのに、また意味のわからないことに巻き込まれる。
あーあ、最悪。
いや、待て。これってもしかしてチャンスじゃん?
俺は手紙をひっくり返し、書かれた場所と日付を確認する。
きっとこれには「puppet player」とやらも来るはず。
ああ、いいこと思いついた。
今回こそ好きにはさせない。今度は俺がお前の人生を狂わせる番。
【集合した時の記憶】
すごい睨まれている。誰だかわからないけど、俺と同じ地域に住んでいた人だろうな。
きっと俺の趣味を知ってるんだ。
でも、そんな睨まなくてもいいだろ?別にお前のペットを殺したわけじゃないんだし。
【三年前の記憶】
俺はいつも通り、お気に入りの場所ーーつまり野良猫とかいろんな動物を閉じ込めてある場所に向かった。
今日はどんな方法で殺してみようか、学校にいる間も楽しみで仕方がなかった。
前回首の骨を折るのは大変だったから(思った以上に折れないんだな)、今回は猫の絞首刑なんてどうかな。
あの人間が使う輪っかで猫は死ねるのかな。
コンビニでロープを買って、ワクワクしながら行ったけど、その日の予定はなしになった。
一枚のメモがその日の俺の予定も、俺の未来も、全てを狂わせた。
「動物を虐めるのが好きみたいだね。
今まで何匹その手にかけたの?
そんなあなたを見込んでお願いがあるの。
16:30に〇〇高校の裏山の一番奥まで来て。
そこにいる男の子を殺して。
やらなかったら、わかってるでしょ?」
メモの下から私が動物を殺している写真が二、三枚こぼれ落ちた。
俺は指示に従うってすぐに決めた。
もちろん、この趣味のことをバラされるのも困るけど、人間を殺せるということにめちゃめちゃ興奮した。
時間通りに指定の場所へ行くと、サッカーユニフォームを来た背の高い男子が一人きりで立っていた。
最近のガキって無駄に背が高いんだよな。まだ俺の方が高かったからよかったけど。
男子はお姉ちゃんとその友達のハッカーさん(よくわかんないけど、たしかにそう呼んでた)を待ってると言った。
俺はその二人について何も知らなかったから、ふうん、とかなんとか、適当な相槌を打って、男子が俺に背を向けた瞬間、その辺に転がってた両手で持てるくらいの石で男子の頭を殴った。
俺の方が少しでも背が高くてよかった。
男子は俺が石を振り下ろすまで何も気づかなかった。
石は男子の頭に当たって、嫌な音を立てた。
ごつっと頭蓋骨を砕いたような音と、その下の脳みそやらを潰すぐちゃっという音が混ざった音だった。
男子は変な声を上げて倒れた。
多分、無意識にっていうか生理的に、いや、本能的に出た声なんだろうな。
俺は使った石をお気に入りの場所に持ち帰ってトロフィーのように飾った。
男子がその後どうなったかは、知らない。
次の日、俺は警察に呼ばれた。
目の前にあの写真が差し出されて、「何か知っていますか」と聞かれた。
この日から周囲の俺に対する態度は一変した。
俺は危険人物として隔離されるようになった。精神病院にも通わされた。中学は退学になった。
悲しみなんてものはなかったけど、俺の腹は煮えくりかえっていた。
puppet player、あの裏切り者め、死ね。
【目標】
自分が最多表にならない。(3)
puppet playerに投票する。(5)