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​終幕「更なる悲劇」

「犯人はヨシさん……」

丑之助の言葉を遮って、ヨシは男のような低い声で話し出した。

「はっはー、犯人なので都まで連行します、とか言うつもりか?

勘弁しろよな、俺、濡れ衣なんかで捕まってる暇ないんだよ」

ヨシはおもむろに着物の帯を解き出す。

彼女――いや、彼が女物の着物を脱ぐと、そこには洗煉された剣術家「椿刈り」の姿があった。

「悪いけど、狩らせてもらうぞ」

一陣の風が吹いたようだった。

ボトリ、ボトリ、ボトリ。

椿の花が散るように、あっさりと三人の首が落ちる。

「椿刈り」は息を短く吐くと、得物についた血を振り払う。

「あー。この首が見つかる前に都に入らないと、足がつくな」

そう言って、「椿刈り」は宿を後にした。

 

翌日、宿に入った旅人は、四人の死体を目の当たりにしたのだった。

​【終】

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