音太郎で間違いありませんか?
【正体】
今世間を賑わせている脱獄犯「夜蜘蛛」ーー紛れもなく、俺のことだ。
右眉からこめかみにかけての裂傷痕さえ隠せば、どこにでもいる男に見えるはず。
念のため、あんまり人と関わらないようにするけど。
勿論、他の宿泊客に俺の正体を知られたら困る。
やっと脱獄したんだ……アイツに、トヨに会いたい。
故郷である貧民街に置いてきてしまった、あの妹のような小さな存在。
アイツが無事かどうか確かめたい。
アイツが無事でいてくれれば、俺は何もいらないから。
【宿泊客たちの印象】
ハツ:良い家の女性だ。盗ってくださいと言わんばかりに無防備に置いてある高価そうな持ち物には思わず手が出そうになるけど、今ここで盗んだら足がつくから我慢。
丑之助:牢獄の看守を思い出すいかついおっさん。もし戦ったら勝てなそうだから、距離を置いておこう。
ヨシ:背丈のせいか、威圧感のある女性だ。なんだか重そうな物を背負っているけど、あれはなんだ?
【事件前後の行動】
12:00~12:30 夜と言っても、いつ追っ手が乗り込んでくるかわからないから、いつでも逃げられるように、窓際で浅い眠りを繰り返す。いざという時のために灯りは灯しておいて、くずかごを被せておく。気がつくと、俺の部屋の戸に手紙が挟まっていた。下手な絵が描いてある……なんだこれ?
12:30~1:00 浅い眠りの中、誰かが歩いている音を聞いた。
1:00~1:30 灯りのための油が切れた。宿の主人には申し訳ないけど、もらいに行く。途中、自室へ向かっていく丑之助とすれ違ったが、こんな夜遅くに何をしているんだろう? 主人に油をもらって、灯りを灯し直し、もう一度謎の手紙を読んで……閃いた。これは多分、牛の絵だ……牛?
1:30~2:00 浅い眠りを繰り返す。早く故郷に帰って、ぐっすり眠りたい。
2:00~2:30 ドスン、と微かに床を鳴らす音と振動にハッと目が覚めた。追っ手かな、と耳をすませていると、軽い足音が走っていくのを聞いた。俺を捕まえにきたわけじゃなさそうだけど……。
2:30~3:00 警戒したまま自室にこもっていると、小さめの足跡を聞いた。この歩き方、多分丑之助だ。丑之助は夢遊病なのかな。不自然なぐらいに定期的に出歩いてるな。
3:00 女の悲鳴を聞いて、自分が何か事件に巻き込まれつつあることを悟った。ただでさえ目立つわけにはいかない身だから、窓から逃げようとしたが、ヨシに見つかった。なんて察しのいい女だ。おまけに馬鹿力で現場まで連行された。怖い女は嫌いだ。
【証拠・証拠品】
主人は自室の奥の方で、背中側から頚動脈を切られている。
【目標】
メイン:犯人に投票する。
サブ:自分が「夜蜘蛛」だと知られない。